特に夏場に多い食中毒ですが、その中でも、黄色ブドウ球菌による食中毒が注目を集めています。
黄色ブドウ球菌といえば、私たちの皮膚の上にも存在するありふれた菌ですが、感染するといったいどのような影響がでるのでしょう。詳しく見ていきましょう。

感染経路

手づかみ食中毒に限っていえば、黄色ブドウ球菌の感染経路はずばり経口感染、口から食事を食べるときに一緒に菌が入ってしまい、食中毒を引き起こすものです。
しかし、皮膚の上に常にいる菌であれば、簡単に口の中にも入ってしまいそうに思います。夏場など食品が特に傷みやすい時期に、手づかみで食事を持って食べたりすると、黄色ブドウ球菌は感染しやすいということがわかります。

原因

そもそも、なぜ食中毒が起こるのでしょう。
空気中にだってたくさん菌はいるのに、と思う方はなかなか鋭いです。黄色ブドウ球菌は普段われわれの身近にいる常在菌のなかでもやや毒素が強い傾向があります。エンテロトキシンと呼ばれた毒素を出しながら、黄色ブドウ球菌は食物に取り付いた後も繁殖していきます。
この状態で口から食べてしまうと、健康な人でも食中毒を引き起こす可能性があるといわれているのです。

潜伏期間

細菌やウィルスには、実際に体内に感染してから、具体的な症状がでるまでの潜伏期間というものが存在します。
食中毒というのは比較的潜伏期間が短いのが特徴であり、特に黄色ブドウ球菌の潜伏期間は早くて食後30分程度、長いと5-6時間との調査結果も見られているものです。参考までにhttps://xn--eckd2d1d1gj6115c9h0bjrphf4g.com/ は24~48時間です。
いずれにせよ、食中毒が起こる場合は、食事を食べてから少なくともその日中に具体的な症状が出ることが多い、と考えておくとわかりやすいでしょう。











 

 

食中毒の症状

下痢嘔吐腹痛黄色ブドウ球菌の毒素によってもたらされる食中毒で、具体的には身体にどのような症状が現れるのでしょう。
一般的な症状としては、ほかの食中毒でも見られるポピュラーなものが多く、嘔吐、下痢、腹痛などが主流といえるでしょう。
しかし、黄色ブドウ球菌の毒素エンテロトキシンはやや強力であり、場合によってはショックといって血圧が低下するまで重篤な状態に至るものもあります。
こうした状態は、消化管だけでなく体中の血液に菌の毒素が回ってしまう菌血症の状態であり、発熱や呼吸器としての肺炎、さまざまな臓器での炎症などへと移行する可能性もあるので決して馬鹿にできないのです。

食中毒の予防

まずは、手洗いうがいなど、自分自身の身体を清潔に保つところからはじめましょう。
皮膚に常在するがゆえに、空気に触れている部分は積極的に清潔行動をとることで、少しでも感染のリスクを減らすことができます。アルコールやハンドソープなどを有効活用し、多少の傷があっても防御できる体制をとりましょう。
次に、経口で細菌を飲み込まないようにすることが大切です。
経口摂取による最大の原因は、腐った食物、そして素手という部分です。特に夏場などはそうですが、作りおきは絶対に避けましょう。
卵や生鮮食品など生ものはそのまま食べず、必ず火を念入りに通すことも大切です。そして、とっておく場合にはしっかりと冷やし、常温を避けましょう。食べる時には、残さず食べきるようにし、なるべく素手は避けて、はしやスプーンなど食器を使いましょう。

まとめ

当たり前といえばそうですが、特に毒素がつよく、私たちの皮膚の上にも存在しているという身近なところが気をつけるべきところです。
特に小さなお子さんや高齢者のいる家庭では注意が必要です。