食中毒やこどものとびひに、代表される細菌といえば黄色ブドウ球菌。
毒素がやや強いポピュラーなものとして知られていますが、これを防ぐにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか。

加熱すれば大丈夫?

加熱殺菌感染症を防止するために効果的な方法としては、加熱があげられます。
しかし、ここで気をつけてほしいのは、黄色ブドウ球菌は比較的熱に強い性質を持っているということです。

一般的に食中毒を起こす菌に関しては、75度以上で1分間加熱をすることで大丈夫といわれています。以前は「80度で30分間加熱する必要がある」という研究結果しかありませんでしたが、最新の研究では、熱に強い黄色ブドウ球菌でも75度1分間の加熱で十分に対処可能であるとの結果がでたのです。

しかし、もともと熱に耐性があるため、より長時間の加熱が望ましいのはいうまでもありません。また、加熱の前後、汚い手で食品に触ってしまうと、菌の増殖を加速してしまうという結果になる事もありますので、そういった点だけは避けましょう。

手洗いは効果的か?

黄色ブドウ球菌の感染経路は、経口感染あるいは皮膚などへの接触感染です。その為、汚れた手で皮膚や食物を触ってしまった後、そこから常在菌である黄色ブドウ球菌が感染し、毒素により炎症や食中毒を引き起こしていきます。

あらかじめ手指を清潔に保つことは感染に対してとても効果のあることです。しっかりとした手洗いにより、確実に細菌の数を減らすことができます。できればハンドソープやアルコールで消毒しましょう。消毒剤をとったら手のひらで軽く伸ばしつつ、指、手の甲、おやゆび、手のひら、手首、と順番に伸ばし念入りに洗っていきましょう。こうすることで、手のしわが多い部分も効果的に洗い、黄色ブドウ球菌を減らすことができます。

しかし、アルコールでかぶれができてしまう人は要注意です。せっかく菌を減らしても、黄色ブドウ球菌が入り込む傷を、新たに作ってしまう事になるので、それでは基も子もありません。そういった方は肌に優しい弱酸性の洗浄剤を利用するか、お湯で念入りに洗うことをこころがけましょう。












超酸性水はきくの?

次亜塩素酸水巷ではやっている製品に、超酸性水というものがあります。正しくは、強酸性電解水というのが正しい名称です。
実はこれが黄色ブドウ球菌対策ではなかなかゆうこうではないか、という結果が出ています。

黄色ブドウ球菌が悪さをするもっともポピュラーな感染症や疾患の中に「とびひや食中毒」だけでなく、アトピー性皮膚炎があります。特にこの疾患の方の皮膚は、非常にバリア機能が失われているため、もろく、ただれやすい傾向にあります。このアトピー持ちの方を対象に強酸性電解水を使用したところ、細菌を効果的に減らすことができた、というデータがでています。

強酸性電解水の特徴としては、次亜塩素酸というアルコールと対を成す消毒薬の仲間であり、非常に強い酸性を示すものです。一般的なアルコールなどの薬剤と比べると、瞬間的な殺菌力が非常に強いですが、水や体液と混ざると瞬時にその効果が減弱してしまう(次亜塩素酸が水に戻る)という特徴があります。このため、手を水で洗った後、しっかりと水気を取った上で、超酸性水で消毒することが効果を出す秘訣というわけです。

ただし、非常に強い酸性ですから、歯のエナメル質にダメージを与えてしまう可能性があるので、むやみやたらに口に入れないようにすることが大切です。

うんちく:次亜塩素酸水などは厚生労働省が定める「食品添加物」としても利用されてます。そしてその臭いは皆さん嗅いだことがあると思いますが、プール掃除をした後の消毒液のような臭いです。

まとめ

一般的な食中毒で実施している手洗いや加熱、消毒などがそのまま有効であることがわかりますね。また、超酸性水という便利なツールも有効であることがわかります。

大切なのは、日々こうした対策を継続していくことです。細菌感染を広げないためにも、毎日習慣として実施していく必要があります。